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医療費が高いと死亡率が下がる? [疫学]

タイトルは日経新聞のタイトルのようですが、日経新聞は医療費叩きの急先鋒ですから、言いたいのは、医療費をかけても死亡率はむしろ上がるんだから無駄だと言いたいのか?と思ったりします。まあ、詳しくは日経の記事を読むしか無いでしょう。

ネットにはわざわざグラフで医療費が高くて死亡率も高い地域が赤くなるようになっていて、この地域はアカンとでも言いたいのでしょうか?

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/health-expenditures-map/?n_cid=DSPRM1489

でも、これは疫学で言う原因なのか?結果なのか判らない横断研究そのものです。医療者なら、死亡率が高いから医療費が高くなると思うでしょうし、だから積極的に健康づくり予防医学を導入しては?となるでしょう。あるいは、これらの地域は収入が低く高齢者が多いかもしれない。それらを補正したらどうなるか?を考えるべきでしょうし、さらに言えば、縦断研究はどうなのか?同じ高齢化率でほぼ同じ収入の地域で、医療費をかけた地域とかけてない地域で数年後に本当に死亡率が違うのか?

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 歳をとったらこの岩に座ろう「じじばば石」 この岩に座れば医療費はかからない!?

追記 その後、日経の記事には高齢化率の補正をかけているようです。日経が述べたいスタンスは、例によって費用対効果ということらしい。医療費高いのに死亡率高いのは費用対効果が悪いのではないか?と、、、でもね、大酒飲んでチェーンスモーカーが多い地域なら医療費も高いし死亡率も高いでしょうなあ、、、卑近な経営論理と医療とは違うんだけどね。それでいて日経は混合医療賛成でしょうから、医療格差も広がり、米国並みに医療費高騰するでしょうなあ、、、、日経は何が言いたいのやら???


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大腸がんと飲酒 [疫学]

先日、外来で診ていた患者さんが大腸がんの手術を終えて帰ってきました。こちらでは高血圧と腎機能低下でフォロー中でした。健診で便潜血が1回だけ陽性でした。で、帰ってくると高血圧も解消して降圧薬フリーとなりました。これは飲酒を止めたせいでしょう。

ところが、本人はそろそろアルコールを再開したいと言うのです。えっ、と思って手術した先生はアルコールはダメと言わなかった?と問うとダメと言われてないと。本当にダメと言われてないのかわかりませんが。飲酒と大腸がんのリスクは有名だと思うのですが、、、、この患者さんは休肝日なしで毎日3合の日本酒を飲んでいて、いつも血圧管理の為に減酒を勧めていた。

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 国立がん研究センターの資料から
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チャリ通勤は死亡率低下 [疫学]

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BMJに自転車通勤は健康だと発表されていました。心臓死もガン死も少なくなるとか。運動すると癌が減るのは昔から言われています。心臓病も減るし。そして徒歩通勤よりも死亡率が減る。とは言いつつ、自転車通勤する人はもともと体力があり、健康的な人が多いですからね。prospective cohort とは言っても選択バイアスがある。random化はかなり困難。

もともと体力のない人や、病気がちの人はマイカー通勤か公共交通機関になる。ところで、英国では自転車通勤を促進する政策が提案されているとか。現在は自転車通勤は全体の数%。日本は現時点でも13%くらいらしい。日本は健康的なんだ。

一週間の走行距離が48キロ以上の自転車通勤ならOKらしい。つまり週5日なら毎日往復10キロ程度。それほどの距離ではない。

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 蔵王山頂付近 こういうチャリの人も居る 健康的かどうかは判らない


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認知症はダイエット飲料がお好き?選択バイアス? [疫学]

CareNetに「Sugar- and Artificially Sweetened Beverages and the Risks of Incident Stroke and Dementia: A Prospective Cohort Study.」の紹介がありました。結論は、「ダイエット飲料で脳卒中・認知症リスクが増加」なんですが。

原文を当たってないのですが、体重では調整してないようです。はっきり言ってダイエット飲料は代替品の味で美味しくない。そんな不味いものをわざわざ飲むひとはワケありでしょう。つまり、初めから太っているとか、医師に減量を勧められているリスク(例えばDM)のひと。

prospective cohort でも、初めから選択バイアスがあるのではないか?と思いますが。やはり健常人にrandomにダイエット飲料と普通の飲料を割り当てないと結論はでないのではないかな?

住民調査などすると、男性の場合は飲酒習慣が全く無い群が不健康だったりします。それは健康を既に害してドクターストップされたり、もう飲めなくなった集団だったりするんですね。で、こういう調査だと少しアルコール飲んだ方が健康度が高いというアホな結果になる。圧倒的にアルコール消費量が少ない女性が男性よりも長生きだという明確な事実を安易に性差だけだと片づける。ありゃ疫学でなくて易学だわ(笑)

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高LDLコレステロールの生命予後は? [疫学]

どこぞの某武田タレント学者が喜びそうなネタですが、LDLコレステロールが高いほど生命予後が良い?という報告がシステマティック・レビューで出たとか。さて?でも高齢者でのデータなんだな。壮年期から高いとこうは行かないでしょう。

透析医療でも、血圧が高いほど長生きだという定説があったんですが、その後の研究では否定されたのですがね。疫学調査はその解釈に注意しないとなあ。LDLコレステロールが高く、既に有病の人々にスタチンを投与しても、高齢者なら、健康でLDLコレステロールのみ高い群よりも、治療でLDLコレステロールが一見下がっている群では、病状的にはもう手遅れで生命予後が悪いとかね、、、

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運動は身体に良い 週末運動戦士でもOK? [疫学]

英国の研究で運動は健康に良く、がんも含めて病気が週1〜2回の運動習慣でも減ると最近報告されました。が、あくまでも週1〜2回と言っても運動習慣としてで、週に150分の運動です。150分?

2時間30分です。これは結構な時間です。週ですから、週末にまとめて150分でもいいのですが、チト長い。1年にすると7800分で、130時間、年間5日間とちょっとぶっ続けに運動すれば良い。長いか?短いか?

ともかく、運動すれば癌も減るし、健康度が上がるのは確かのようです。一方で、中高年の場合は、徐々に軽い運動から始めましょうとあります。

ところで、この手の疫学研究でいつも気になることがあります。一つは元々健康だから運動が続けられたのではないか?という因果関係の問題。そして週末運動戦士とは言え、運動習慣を持つ層は相対的に豊かで健康意識も高いというバイアスがあるのでは?と。

「Association of "Weekend Warrior" and Other Leisure Time Physical Activity Patterns With Risks for All-Cause, Cardiovascular Disease, and Cancer Mortality.」JAMA internal medicine. 2017 Jan 09

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 運動すると痩せるから長生きなのか?

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J カーブや肥満パラドクスの嘘? [疫学]

medscapeねたです。塩分を取れば取るほど死亡率が上がるというリーズナブルな結果がでました。『Sodium Intake and All-Cause Mortality Over 20 Years in the Trials of Hypertension Prevention』( J Am Coll Cardiol 2016; 68:1609-1617.)ですが、結論は『We found an increased risk of mortality for high-sodium intake and a direct relationship with total mortality, even at the lowest levels of sodium intake. These results are consistent with a benefit of reduced sodium and sodium/potassium intake on total mortality over a 20-year period.』で、このリニアーな結果が興味深いです。

今までの研究だと塩分は摂らなすぎるとかえって死亡率が上がるとかのデータもあります。が、どうも変です。生物学的反応は大抵の場合、一方上がりのリニアーか、指数関数的なものです。生物学的に必要な塩分量は極めて少量ですが、それを越してJカーブなどが生じるとは思えません。

ではなぜ観察研究などでJカーブが見られるか?それは、病気を持っているひと、治療中のひとが入ってくるだろうと論じています。病気を既に持っていて塩分制限をしているリスクのあるひとが低塩分摂取の層に入ってきたりするとJカーブの原因になると。

太っている方がかえって健康という肥満パラドクスも同じで、病気で減量しているひとが非肥満の層に入ってくる。つまりJカーブとは選択バイアスの一種じゃないか?と。

しかも、この研究では24時間尿採取のゴールドスタンダードでの塩分摂取量を採用している。これは大変なことです。でも、より詳しく厳格な研究デザイン(つまり病気のひとや治療中のひとを除いて)で、と言うと極めて難しい。3万人から4万人を対象に6年から10年低塩分食と普通食にしておけるかね?と。でもそれ位の規模と年数じゃないと有意差は出ないでしょう。

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t分布のこと [疫学]

 義理の息子は分野は違うが、研究職。最近、社命で統計検定の資格を取れと言われたと。t検定はあの有名なギネスビールのビヤ樽の品質管理のために、いかに少ないサンプル調査で全体の品質を推定するか?という命題のために開発されたと説明し、私はビールを飲むときはそのギネスに敬意を表するためにギネス黒ビールにしていると述べると受けました。

 これがスチューデントのt検定(t分布)。これは本名ゴゼットの偉業ですが、当時は偽名のスチューデントの名で発表された。偽名は社命で本名を使うなと言われたという説がありますが、このt分布は暫く日の目を見なかった。その後に脚光浴びせたのはあの生物統計の大家フィッシャー。

 ゴゼットはその後、出世してロンドンの醸造所の所長になったようですが、勿論、t分布のおかげではなかった。あくまでも優秀な社員として。品質管理は企業秘密ですから、それに関わるものを発表されては困るというスタンスが会社の組織論理です。ゴゼットが亡くなってからギネス社はゴゼットの偉業を知ることになる。

 今晩はギネス黒ビールを飲むかな?


マンガ 確率・統計が驚異的によくわかる

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  • 作者: ラリー ゴニック
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アルコールは血糖を下げる?観察研究でしかも横断研究の研究成果だものね、、、 [疫学]

なんだかCareNetに『習慣飲酒が血糖状態を改善-日本の中年女性』という論文紹介がありました。ふーん、、、そうなのかね?と思ってちょっと見ると、日本の健診データの論文。健診データの疫学論文は注意を要します。

中年女性ですね、そうすると市町村の健診かもしれませんね。だとすると、病気を持っていたり、健康に自信がないと受けない人が増えます。つまり選択バイアスがおきます。健診とは健康診断であって健康者が受けるものです。あるいは既に糖尿病の病人は血糖降下薬を服用しているかもしれない。

しかもこの手の研究方法だと因果関係は曖昧です。アルコール摂取量が多いから血糖が低めなのか?血糖が低めで糖尿病じゃないからアルコールを飲むのか?わかりません。時間軸からは原因は常に結果の前にあるんですが(当然だよな)一時点の観察研究ではその時間軸がないのだよね。だからこの研究は横断研究という制約がつく。本来ならコホートでも組んで、アルコールの摂取量でいくつかの群に分けて何年かおきに血糖の推移をみるべきでしょうね。論文では運動でも補正かけているようですが、アルコール摂取群の方が活発に運動するかもしれないしなあ、、、運動後にアルコール飲んでいるかもね。

ともかく、こういう健診データを使った安易な?と言えば言い過ぎかもしれないが、一時点の横断研究じゃなくて経時的な縦断研究をして欲しいのだよね。

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最近、美味しいワインが安いんですよね、、、糖尿病予防にワインでも飲むかい?アハハ、、、(^o^)ホントかね?

適度なアルコール摂取は糖尿病予防に良い?という論文↓
Koppes LL, Dekker JM, Hendriks HF et al:Moderate alcohol consumption lowers the risk of type 2 diabetes:a meta-analysis of prospective observational studies. Diabetes Care 28:719-725,2005
適度とは純アルコールで1日25g以下とかなんとかですがね、、、、こういう論文を基にDMのガイドラインがなんと言おうと、私はアルコールがDM予防に良いなんて思わないよ。
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再び因果の逆転について [疫学]

前にも書いたような気がしますが、疫学調査研究で時々生じて混乱を来すのは「因果の逆転」です。もともと横断研究では因果がはっきりしません。とても単純な理屈で、原因は結果よりも先行するというだけの原則です。横断研究はある時間の一点で調査するんで、原因が先か結果が後かは曖昧です。

アンケート調査で、間食が好きと回答した対象者に肥満が多いとすると、間食は肥満の原因だとは言い切れない。もともと肥満しているひとが間食が好きなのかもしれない。で、縦断調査である時点で調べて太ってない対象者に間食が好きかどうかアンケートして、暫くしてもう一度調査してその時点で本当に間食が好きな人に太る人が増えたかどうかみなくてはならない。

一見、縦断調査すればそれで済むと思いがちなんですが、そうは単純じゃない。先日、データを弄っていたら、降圧薬のカルシウム拮抗薬(CCB)が血圧を上げるという結果が出てしまった。なんだ?これ?というものですが、おそらくなかなか血圧が下らない群に対して選択的にCCBを処方していたためでしょう。

因果の逆転で、CCBを投与したから血圧が上がったのではなく、血圧があがっているのでCCBを投与する機会が増えたと解釈すべきでしょう。ところが、この「因果の逆転」を疑い始めると、どれもこれも「因果の逆転」じゃないのか?となるんですが、これは臨床家の判断感覚になり(臨床的に整合性のあるストーリーが成り立つか?)、これでは曖昧なので結局はさらにそれを追試して確かめるしかないのですが、、、

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先日、ドライブで登米まで行ってきました。北上川の春ですね、、、、

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