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日本じゃあ、ちっとも受けないけどlow-sodium DASH diet [腎臓]

東北人は兎に角、塩分が好きで高血圧なのに漬物を食べる人が多い。これは一般人だけでなく医師でもそうだから呆れてしまう(と言えるように、私は高血圧じゃないけど納豆に醤油もかけず、ゆで卵にも塩をふらないように食改善した)。

患者に減塩を言っても受けない。ひどい患者になると隣のブースから、あの先生は漬け物食べるな!しか言わないと、隣のブースの担当医に苦情を言っているのが聞こえてくる。高血圧だけでなく腎機能低下予防にも減塩が必要(ただし腎不全ケースやステージによっては厳しい減塩がかえってリスクになることもある)。

『Adherence to low-sodium Dietary Approaches to Stop Hypertension-style diet may decrease the risk of incident chronic kidney disease among high-risk patients: a secondary prevention in prospective cohort study』(Nephrology Dialysis Transplantation, Volume 33, Issue 7, 1 July 2018, Pages 1159–1168)ってのが出ていました。

結論は『Higher adherence to the low-sodium DASH-style diet might be associated with a lower risk of incident CKD among high-risk adults, highlighting the importance of adherence to the low-sodium DASH-style diet in substantially reducing both the occurrence of CKD and the burden imposed by it in the future.』

このDASH食って私にとっては懐かしいやつです。まだやっているというか有効ですからね。高血圧予防食で、繊維質とか多いし、脂は少ない。これに減塩を加えるとより良い。腎機能低下予防にも有効となる。ところで、low-sodiumってどれくらいか?ですが、1日食塩摂取量でざっと4g以下ですな。日本人の平均は男性で1日11g、女性で9gかな?東北の田舎人はおそらく男性は15g以上じゃないの?道はまだまだ遠いなあ、、、、あのさ、だから漬け物食うなよ!!!

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追記 このDASH dietの有効性は何度も確認されていますが、じゃあ、どんな食事かと言えば『Emphasis: whole grains, fruits, vegs, low fat dairy, nuts, fish, poultry, legumes Low in sodium, red meats, sugars』なんですよ。今、流行の糖質制限ダイエットですが、私は賛成しないし、糖質制限ダイエットの中には肉や脂はどんどん摂って良いというかなり極端んで危険なダイエットもあるようで、いけませんなあ、、、、

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水分摂取増やしても、CKDの進行抑制できず/JAMA [腎臓]

タイトルのような論文のことがCareNetに出ていました。
方法は
The CKD WIT (Chronic Kidney Disease Water Intake Trial) randomized clinical trial was conducted in 9 centers in Ontario, Canada, from 2013 until 2017 (last day of follow-up, May 25, 2017). Patients had stage 3 chronic kidney disease (estimated glomerular filtration rate [eGFR] 30-60 mL/min/1.73 m2 and microalbuminuria or macroalbuminuria) and a 24-hour urine volume of less than 3.0 L. でした。

結論が、
Among adults with chronic kidney disease, coaching to increase water intake compared with coaching to maintain the same water intake did not significantly slow the decline in kidney function after 1 year. However, the study may have been underpowered to detect a clinically important difference.
です。

これ、観察期間は1年間なんですね。ちょっと短い。そして、この研究期間に12人死亡している。水分摂取増やした方で5人、通常のグループで7人。ちょっとここ気になる。

腎機能低下の患者には外来で、口を酸っぱくするほど水を取れと言っています。でも、取らない患者が多い。口渇感があまりない、トイレに行くのが面倒だ、、、高齢者に多いのです。水を飲んでトイレに行くのが仕事だと思いなさいと説明しています。

腎臓屋ならわかると思いますが、脱水による腎不全は普通は可逆性です。が、元々腎機能低下している患者はいったん脱水で腎機能低下が進行すると戻らないことが多々あります。だから、兎に角、水は飲めと指示します。これ重要です。水を沢山とれば腎機能低下の進行が遅くなるかどうかはわかりませんが、不用意な脱水による腎機能低下を招かないことだけは非常に重要でしょう。

このカナダの論文は自らアンダーパワーだったかもと述べているので、もっとエントリー人数を増やしてもっと長期間のスタディをしてもらいたいですね。

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シナカルセト [腎臓]

透析患者で、突然、高カルシウム血症になったかたがいました。活性型ビタミンDを二次性副甲状腺機能亢進症予防に投与していたのですが、焦りました。血清カルシウム値が補正値で14mg/dlですから。食事の時にこぼす食事が多くなっていたのに気が付いていたのですが、、、

慌てて、活性型ビタミンDを切り、沈降炭酸カルシウムを切り、シナカルセトを投与。数日で正常化。行きなり高カルシウム血症ですから、血液疾患、がん等を考えたのですが、検査にひっかからない。やっぱり医原性のものか?でも、今まではこんなに急激に血清カルシム値は上がらなかったんですがね。

あんまりシナカルセトは使わないで二次性副甲状腺機能亢進症を管理しているのですが、この時ばかりはシナカルセトがあって良かったと思いましたよ。ふーーーーー

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Choosing wisely 追記あり [腎臓]

日本腎臓学会誌を見ていたら、透析患者に積極的にガン検診を行うか?というものに対して、米国ではいわゆるchoosing wiselyとしてあまり推奨していないとありました。なるほどなあと思います。経験的に、高齢の透析患者では、たとえガンを見つけても、治療ができない例が何例かありました。あるいは、初めからガンを抱えて紹介される透析患者も少なからずあります。

ともかく、choosing wiselyとはなかなか考えさせるもんです。公衆衛生ではスクリーニング検査の前提は、ある疾患が見つかってその治療法があるというのがあります。治療法もない病気をスクリーニングにして、いたずらに病悩期間だけ長くするなというこです。

choosing wiselyとは、エビデンスもあやふやな医療を慎めということらしいですが、もっと深い意味があるのでしょう。ちなみに透析患者は癌の罹患率が高いのですが、日本ではどう扱うべきかが今後の課題と言えば課題でしょうか。

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追記:この choosing wiselyは確証のない医療を選択するのは止めようという運動なんですが、日本の医療特区とは真逆ですね、、、日本政府は何をやっているやら?と、ちょっと苦笑ですがね。



腎臓病の撲滅へ「仙台宣言」 [腎臓]

仙台で第60回日本腎臓学会が開かれていましたが、国際腎臓学会と共同で腎臓病の撲滅という共同宣言しました。これから具体的なGLが出るでしょう。腎臓病の予防はかなりのレベルで可能となっていますから、タイムリーな宣言でしょう。

まずは、腎不全透析の撲滅が第一目標じゃないかと思います。そして予防について力点をおいて欲しいです。糖尿病、高血圧の予防から始まりますが、我が国はなんと言っても減塩でしょう。

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宮城県国道347号線 大崎から鍋越峠への道路


アルコールの飲み過ぎはやっぱり腎臓に悪い [腎臓]

アルコールには利尿作用があるので、飲酒はCKDに良いという俗説があるんですが、私は違うと思っていました。で、やっとその「違う」というエビデンスが出始めました。結論は『Healthy dietary patterns consisting of adequate fruits and vegetables and limited alcohol consumption are associated with a delay in CKD progression and improved survival in patients with Stage 3 or 4 CKD.』です。

観察期間は中央値で3年くらいですが、それでも十分でしょう。だいたい腎機能が落ち始めると2〜3年で透析に入るひとが多いですから。nがやや少なめですが、アルコールは良くないのは確かのようです。

Journal of renal nutrition : the official journal of the Council on Renal Nutrition of the National Kidney Foundation. 2016 Dec 08; pii: S1051-2276(16)30157-1.

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透析患者のワルファリン投与 [腎臓]

未だに透析患者のワルファリン投与についてトピックが出ます。日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインには、「重篤な腎障害には禁忌だが、使用せざるを得ない場合には腎機能正常者と同量を慎重投与」と多分に矛盾に満ちた文言で記載がある。本来「禁忌」と「慎重投与」は相容れない。好戦的な平和主義者というようなものでしょうな、、、、

確か、数年前のカナダがどっかの大規模調査では、ワルファリン投与では出血のリスクが増えて、リスク・ベネフィットからすると、リスクが強く止めた方がベターと出ていた。しかし、欧米の杜撰な透析患者管理だからなあとは思います。杜撰が言い過ぎなら、あまりドクターの診察のない管理ですが、偏見かな?

日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインには、「禁忌」と記述しながら、投与量はINRで管理とあります。これがキモでしょうね。欧米のワルファリン投与の管理はINRが2〜3が多い。これは過大すぎないかね?1.5〜2.4くらいが日本では妥当じゃないのか?

NOACの宣伝でワルファリン投与をけなす研究論文(いや非劣性比較ですが笑)では、この2〜3ですからね。あれはね、見る人が見ればそうだろうなという結果です。ワルファリンの投与は医師のいわゆる微妙なさじ加減ですからね。春や秋の山菜を多めに採るシーズンではワルファリンの効きは悪くなるし、高齢者によくある食思不振では、効き過ぎる。

そういう内科医の患者を診る眼が不可欠なんでしょう。NOACはそんなさじ加減不要の納豆が食べられる高価な薬と言われないように、、、こんなこと言うからシニアドクターは嫌われるんでしょうな(笑)で、お前はどうしているか?って、それはケースバイケースで透析患者のワルファリン投与を決めています。

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腎臓学会 [腎臓]

発表はスムーズに終わりました。臨床的には合理性のある結論なんで、座長さんのフォローコメントも助かりました。とは言っても、もっと例数を増やさないとダメでしょうが。

もともと、私の分析は観察研究の域を出ないわけで、選択バイアスの問題を除くと事実をどう解釈するかの議論しかない。また捏造論文撤回が騒がれていますが、なかったデータをでっち上げるわけで悪質極まりない。アカデミズム追放しかないでしょう。


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Intradialysis Hypertension [腎臓]

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(Hypertension 2015;66:456-463)

このBrief Reviewはちょっと期待したんですが、それほどでもなかったです。透析をやっていると、時に透析中に血圧がバンバンあがるかたがいます。どうするか?と言うとドライウェイト(DW)を下げて、降圧薬はACE-I、βブロッカーを投与します。このレビューでも同じような対応です。

透析は体外循環ですから、これによってRA系が活性化し、交感神経系も活性化。電解質や水分調整機能は廃絶している腎臓で透析を必要としていますが、内分泌系としての腎臓が部分的にまだ生きている。

経験的には、DWを徐々に落としてACE-Iを投与しておくと大抵は透析中の高血圧がなくなるようです。高齢の場合はむしろhypotensionが管理しにくいのですがね。個人的にはARBよりもACE-Iの方が降圧作用、血圧安定化作用は強いと思いますが。

ところで、intraは「中で」という意味で、interは「間で」という意味です。ちょっと日本人にはややこしいんですが、英語だと intraはinside, withinと書いてあり、interはbetween, from one to anotherと判りやすく書いてありますね。なるほど高速道路のインターチェンジは別の道路に続くという意味なんだとわかる。


意外に居る?SLE [腎臓]

原発性アルドステロン症は言われているほど居ないと書きましたが、SLEは意外に居ると最近思っています。とは言っても田舎の場末三流?(うっ、)地域病院で5年に一度くらいですが。先日も血尿腎炎疑いで専門病院に紹介するとSLEだったとありました。

こちらは薮医ですから、これはSLEだろうと紹介したわけではありません。ここ数年で二例経験したのですが、一例目は中年の女性で高血圧なんですが心症状でエコーするとMRなんですが、変な感じなんです。大動脈の彎曲が強かったんですね。尿たんぱく陽性尿潜血もあったんでなぜか循環器専門病院には送らずに腎臓専門病院に送るとSLEでした。

二例目は30代後半の女性なんですが数年来の断続的なたんぱく尿と尿潜血反応陽性で、たまたま私の外来に来たんですが、数年の経過を見るとこれは何かありそう。IgA腎症にしては年齢が高いなあと紹介したんですが。それまでも全身倦怠感、頭痛、手のひらが赤くなり関節が痛い、物が持てなくなるなどのエピソードがあったんですが、近医で漢方薬など出されていた。

二例とも典型的な蝶形紅斑などは全くなし。私は高血圧屋なんでついでに腎臓も診る程度ですが、尿所見があると、時にこれは変だと紹介してSLEが二例でした。大昔に私は研修病院で内分泌専門指導医から、SLEは大学病院に必ず居ますが、市中病院ではまず見かけないとか言われたんですが、そんなことはない。尿所見は侮る勿れ、SLEも居ますよ。

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宮城蔵王が雲に隠れて見えません。もう直ぐ春です。陽射しが春。